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23 『失楽園』( Paradise Lost)から考える”自由”とは

まとめ

善良な人間以外に自由を心から愛せる者はいない。それ以外の人間は、自由ではなく、放縦を愛しているのである。
None can love freedom heartily, but good men; the rest love not freedom, but license.

~ジョン・ミルトン~

放縦:何の規律もなく勝手にしたいことをすること。

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ストーリー

あなたは自分が自由だと思いますか?
そもそも、自由とは何でしょう。
今回は、『失楽園』のストーリーから”自由”について考えていきます。

『失楽園』とは1667年にイギリスの詩人、ジョン・ミルトンによる旧約聖書の『創世記』をテーマにした詩です。

創世記では、アダムとイヴが食べてはいけないと言われた知恵の実を食べてエデンの園を追い出されるというストーリーが描かれているだけです。
しかし、ここでは、「なぜ、アダムとイブは知恵の実を食べてしまったのか」を著した前述(ミカエル率いる天使とサタン率いる堕天使の戦いなど)や追放後、アダム達の子孫の活躍からイエスによる人類の救済までも予言と言う形で著されています。

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あらすじ
1-4巻
神に敗れて地獄に落ちたサタンが復讐の為、アダムとイヴを誘惑するために地球へ向かう

5巻
神によるキリストの地位の宣言、一部天使の反逆

6巻
天上の戦い、反逆天使が地獄に落とされる

7巻
新世界の創造

8巻
アダムとイヴの創造

9巻
悪魔の誘惑,人間の堕罪

10巻
悔い改め

11-12巻
天使ミカエルによる預言、アダムとイヴの追放

この中から10巻に着目します。

ここでは、アダムとイヴが禁忌を犯してしまったことへの苦痛と後悔、これからの生に待つ果てしない絶望と苦難が描かれています。
苦しみの一切ない、楽園「エデンの園」で神の言いつけを守り幸せに過ごしていた2人ですが、約束を破ったことにより待っていたのは産みの苦しみ(イブ)と命を終えて土に返るまで、土を耕して食物を得る苦しみ(アダム)でした。

特に注目したい点は
①イヴが知恵の実を食べたことを知ったアダムが、神との約束を守ることよりイヴを愛するがために、彼女と共にいることを選び知恵の実を食べた

②未来永劫の苦しみが待っているとわかった2人は1度死ぬことを考えたが、それでも思いとどまり自らの未来を生きていこうと1歩を踏み出した

以上の2点になります。

私はここからアダムとイブの人間としての”自由”意志を感じました。

人は集団で生きているので必ず、何かしらの制限があります。
ただ、その制限をどう捉えるかは自分次第です。
なので、”自由”を自分にとって良い方向に作用できればいいと思います。

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結論

”自由”とは己で見出すものだ。
他人に左右されるものではない。

各個人の”自由”を善良な心を持って捉えればいい思います。
(今回、”善良”については触れていません)


読んでいただきありがとうございます。
では、また明日(^^)

参考資料
失楽園 - Wikipedia
ジョン・ミルトンの名言・言葉(英語も)『失楽園』 | 名言+Quotes | Page: 2
ミルトンの『失楽園』を読んだ。 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
http://ncode.syosetu.com/n5227dl/4/
『失楽園』の物語 | この世は舞台、人生は登場


失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)


失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)