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歴史 アルファベットの起源

〇一言まとめ

アルファベットの起源は紀元前4000年前にエジプト人が奴隷とコミュニケーションを取るために作ったヒエログリフの簡略版である
 
The origin of the alphabet is a simplified version of a hieroglyph made by Egyptians to communicate with slaves 4000 years ago BC.
 
ヒエログリフ↓

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〇時代背景
古代エジプトのファラオは、ある問題に悩みを抱えていた…
 
ファラオ 「近隣諸国との戦争に勝って、敵を奴隷にするまではいいのだが、この奴隷たちに文章で命令を伝えることができない…」
 
ファラオ 「奴隷たちは我らの言葉が読めないんだよな。ヒエログリフは文字が何千個もあって、それぞれに意味があるから、覚えさせるのに何年もかかるし…」
 
とある天才 「ヒエログリフの簡略版を作りましょう。そして、それらは一つの文字が表すのは音だけにするのです」
 
*わかりやすい例
漢字はたくさんあるしそれぞれに意味があって覚えるの大変(-_-;)
でも、カタカナならそれ自体に意味はないし、音だけを表すから簡単に覚えられる!
この新方式のおかげで文字の数は数千個から数十個にまで減り、文字を覚えて使うのがはるかに楽になった!!
 
みんな 「簡略版なら簡単だし覚えられる! こっち使おう」
当時、エジプト人でも複雑なヒエログリフを読み書きできたのは一握りしかいなかった…
簡略版が普及することでヒエログリフは忘れ去られ、その文字を学者が翻訳できるようになったのは1799年にロゼッタストーンが発見されてからだった。
 
元奴隷 「この文字便利だから、故郷に帰ってからも使おうぜ」
ヒエログリフを起源にして様々な文字が生まれる
アルファベットの誕生
 
〇文字の変遷(諸説あり)
ヒエログリフ→ワディ・エル・ホル文字→原シナイ文字→フェニキア文字→ギリシア文字→ラテン文字→現代アルファベット 

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〇用語 
ファラオ: 古代エジプトの君主の称号
 
ヒエログリフ: ヒエラティックデモティックと並んで古代エジプトで使われた3種のエジプト文字のうちの1つ
 
ロゼッタストーン:紀元前196年にプトレマイオス5世によってメンフィスで出された勅令が刻まれた石碑の一部
 
ワディ・エル・ホル文字:1990年代、イェール大学の考古学者がエジプト、ワディ・エル・ホルで落書きに覆われた崖を発見した
それらの落書きの文字
未だに解読されていない
 
原シナイ文字:シナイ半島のサラービート・アル=ハーディムで発見された、青銅器時代中期 (紀元前2000年-紀元前1500年) の年代と推定される少数の刻文に使われている文字
 
フェニキア文字:古代地中海世界において現在のシリア一帯を中心に活動していた海洋商業民族であるフェニキア人によって北セム系言語であるフェニキア語を書くために使用されていた文字
 
ギリシア文字:古代ギリシア人がギリシア語を表記するため、フェニキア文字を元に作った文字

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ロゼッタストーン



参考資料
・アルファベットの成立 http://www.eonet.ne.jp/~libell/1alpha.html
・アルファベットの起源となる言語について
・TANTANの雑学と哲学の小部屋
・アルファベットは「なぜ」生まれたか?
~日常からの発見【文字編】
・「アルファベット 4000年のルーツ」Newton 2008年5月号
・未だに解読できない8種の古代文字